個人や企業を調査する、調査業を営んでいる会社の総称として、探偵事務所や興信所という会社はご存知だと思います。
そういった調査業を主に行う会社を開業するには公安委員会に届出を出す必要がありますが、必要な書類を用意するだけの簡単なものです。
特に何の実績も必要がない状態でも、調査業を行う会社として探偵会社を営むことができるのです。
では、調査業を行っている会社で働いている人が探偵と名乗るには、なにか資格が必要なのでしょうか?
実は探偵事務所に勤めているひとたちは、「探偵免許」というものを持っているわけではありません。
医師や美容師、弁護士など、特別な職業には国家資格が必要だという思い込みがありますが、探偵という職業自体には国家資格などはないのです。
では、探偵と名乗っている人は、どのようにして探偵になったのでしょうか。
探偵という職業に就いている人たちは、普通学校を卒業してから就職する方、中途入社する方などさまざまなかたがいます。
現在は探偵の技術を学べる探偵学校が多く、そちらを卒業してから探偵事務所に就職する人も多いようです。
しかし探偵学校を卒業することは探偵になるための必須条件ではありません。
入社するには、運転免許が必須というところが多いようですが、それ以外の特別な知識やスキルについてはなくても探偵事務所に就職できます。
必須と言えるのはその運転免許証程度で、探偵事務所に就職し、一定の指導を受ければもう探偵と呼ばれることになります。
なお、仮に国家資格試験を経て免許などが発行されるシステムがあれば、探偵調査員のある程度の技術レベルが約束されるのですが、現在の日本ではそういったものはありません。
つまり探偵と名乗る人達のレベルはバラバラです。
新人であってもベテランであっても、探偵の技量の指標は目に見えるもので表されていないため、探偵と名乗る全ての人が、探偵に必要な能力やスキルを持っているとは必ずしも言えないということです。
海外では探偵業を営むのにライセンスが必要な国がいくつかありますが、前述した通り日本ではまだライセンスが発行されていないのが実情です。
そもそも探偵事務所を開業するのに届出が必要になったのも平成19年からのことで、かなり出遅れている印象です。
探偵業の業務の適正化に関する法律(たんていぎょうのぎょうむのてきせいかにかんするほうりつ、平成18年法律第60号)は、探偵業について必要な規制を定め、業務運営の適正を図り、個人の権利利益の保護に資することを目的として制定された日本の法律[1]。略称は探偵業法、探偵業適正化法など。所管官庁は、内閣府(国家公安委員会)である。
しかも以前は取り締まる法律もなかったため、悪徳探偵業者も多かったようです。
探偵業の届出が必要になった今は、悪徳業者の数は減少していますが、それでも悪徳探偵は存在します。
探偵に依頼するときには、できれば悪徳業者や技術レベルの低い探偵がいるところは避けたいと皆さん考えるでしょう。
もし探偵事務所を選ぶなら、届出が出されていることは前提として、開業されてから年月の経っているところを選ぶのがオススメです。
なぜかというと、事務所設立から時間が経っているということは依頼をこなした数も多く経験豊富な探偵事務所であることが推測されるからです。
実績と経験のある探偵事務所であれば、悪徳業者である可能性はずいぶん低いでしょう。
長く営業している探偵事務所を探して依頼をするのが、優良な探偵に依頼できる可能性が高い方法です。
また、長く経営している探偵であれば地元に少なからず評判やクチコミがあるはずなので、そちらで腕が確かかどうか確かめるのも良い方法でしょう。